分布定数回路の伝搬係数の求め方
分布定数回路において、伝搬係数が具体的にどのような値を取りうるのか検討する。分布定数回路では電圧も電流も2階の微分方程式の解として表現される。電圧について記述すると、
となる。この一般解は
を満足するλを係数とした指数関数である。R、L、C、G、ωは全て正の実数なので、λの2乗の虚部は必ず正である。よってλの2乗は、複素平面上の第1、第2象限に存在することになる(複素平面上の偏角が0〜180°になる)。この場合、λの偏角は0〜90°と180〜270°、すなわち第1象限および第3象限となる。すなわち、λを実数α、βで
と表した場合、αとβは同符号となる。λの2乗の関係式から、
より、以下の2つの関係式が得られる。
これより、α、βを決めることが可能である。βを消去してαだけの式に変形する。
αの2乗に関する2次方程式なので、αの2乗は以下のようになる。
αは実数なので、αの2乗は正でなければならない。よって
となる。平方根の中を整理すると
となる。以上よりαは
となる。αが求まればβも求まり、
となる。ここでαとβは同符号でなければならないから、α>0、β>0としてλを定義し、一般解を
とおけば良い。